最近、優也に笑顔がない。
女の子が寄ってきても、何処か上の空だ。
顔色が優れない時も増えた。
それに、噂では女遊びをやめたらしい。
どうしたんだろう?
今考えると、優也のことを私はほとんど知らないかもしれない。
優也は一体、何を考えているの?
分からない…。
「ねえ、ねーったら!」
その時、視界が遮られた。
目の前には親友の手。
「え?あ、何?」
「小雪、大丈夫?まだ、優也君のこと心配してるの?…幼馴染じゃないって言われたんじゃないの?」
私は下唇を軽く噛んだ。
「確かに言われたけど…。優也は、私が倒れた時に一番に見つけてくれて、付き添っていてくれて…。もう、どうしたらいいか分からないよ!」
私は机に向かって思い切りこぶしをぶつけた。
その時の痛さが、まさに今の私の心そのものだった。