俺はただひたすらに歩みを進めていた。

正直、何も考えたくない。

でも、小雪にあんな事をさせてしまった以上ただのチャラ男として学校で過ごすのは流石にどうかしている。

今更、資格なんてあるか分からない…。

でも、謝らなくちゃいけないんだ。

ただ、それには洗いざらい全てを話さなくちゃならない。

俺が人間じゃないことも、全て…。

人間じゃないって知ったら、小雪はなんて言うだろう?

俺が吸血鬼とのハーフなんて知ってしまったら、今度こそ側には居られないかもしれない。

吸血鬼に一度噛まれている小雪は、必要以上に恐怖心を抱いている。

俺は玄関を開けて家に入った。

母さんとは丁度入れ違いになったみたいだ。

ドアが閉まると誰も居ない家の中は真っ暗になる。

俺は真っ暗な中で自分の体を力を入れて、抱きしめた。

小雪に知られるのが、怖い…!

それだけが俺の心を支配していた。