俺はカーテンがかかった小雪の部屋の窓を見続けた。

小雪、泣きそうな顔してた。

きっと、泣きそうになってカーテンを閉めたんだな。

手に取るように俺にはわかった、小雪の行動が…。

小雪のそばに一番居たのは俺だった。

小雪を理解しようと幼馴染なりに頑張っていたのかもしれない。

でも、小雪といるのが楽しかったからそばにいたというのが一番の理由だ。

吸血衝動が苦しい時も小雪のために頑張れた。

でも、今は女を取っ替え引っ替えして飢えを凌いでいる。

我慢をやめた俺には小雪のそばにいる資格はない。

それに、小雪のそばに今の俺がいたら絶対に血を求めてしまう。

彼女を好きになる程に増大した俺の吸血欲は彼女のそばに行ったら間違いなく爆発する。

俺は小雪のそばに居られない。

小雪、ごめんな。

俺は小雪の家を後にすると自分の家に入って行った。