秋祭りから数週間が過ぎた頃、祭りの慰労会が公民館で行われる事になった。

 南朋は、秀二から時々連絡はあるものの、あれから会っていなかった。

 忙しいのであれば仕方ないし、それほど強く会いたいという気持ちがある訳でもなかった。

 でも、今日はゆっくり会えると言われ、気持ちが浮きだったのも確かだった。



 会場に入ると、相変わらず安い揚げ物オードブルが並べられている。


 南朋はこの祭りで顔見知りになった人達のテーブルに座り秀二の姿を探した。


 
 しかし、南朋は後ろから聞こえてきた言葉に体が動かなくなってしまった。



 向かいに座る女の子が、笑いながら何か言ってるが全く耳に入らない……