ぎゅっと、隣で…… 

 今夜は、翔のお祝いに皆が集まるらしい……

 ちらりと、キッチンを覗くと、南朋と恵理さんの姿が見えた。

 ゆめは、二人の会話に声を掛けず、安堵の息をもらした。


 早めに来たサキとリビングのソファに座る。


「何かいい事あったかね」

 サキがゆめに話し掛けた。


「ああ、恵理さんと南朋が一緒に支度しとるわ」


「そうかね……」

 ゆめとサキは、優しい笑みを見せた。



 次々と皆が集まり、リビングな賑やかになる。

 だが、ゆめとサキは黙っソファーに座っている。

 やたらに口を開くより黙って聞いていた方が、家族の大事な気持が見える物だと、年を重ねた今は感じる。


 優一の子供のころの話題に皆が、知らなかったと笑っている。

 そんな事は、ゆめもサキもとっくに気付いていた。

 だが、何も言わない…… 

 そして、幼い頃の孫達の事を懐かしくお思い出ていた。


 今は、皆の笑っている姿を見られる事が幸せだ。


 皆の笑っている姿を恵理が一歩引いて嬉しそうに見ている事を、ゆめは気付いていたが声はかけない。



 すると、南朋が突然声を上げた。