ぎゅっと、隣で…… 

 ハワイでの挙式もすみ、南朋と優一の生活が始まり出した。


 ゆめとサキは、週に二回ほど、南朋達の家へ行く。

 内職もやめ、今は子供達と過ごす時間を楽しみにしている。


 口には出さないが、最近体が思うように動かなくなってきた。

 もう、それなりの歳なのだと自覚せざるお得ない。


「お母さん、今日は南朋の所へ行かれる日ですよね…… 南朋にこれ持って行ってくださりますか?」

 恵理が、出かける支度をしているゆめに向かって言った。


「はいはい。南朋も喜ぶよ」


「そうかしら? 南朋はちゃんとやっていますか?」


「ああ。最近は先生らしくなってきて、子供達からも慕われておるわ。家事もちゃんとやっておって、優一君も南朋の料理はおいしいって褒めておったわ」


「そうですか…… 元気なんですね」


 恵理のほっと息をついた顔は嬉しそうだった。



 自分で持っていけばいいのに、恵理さんも素直じゃないのう……