ぎゅっと、隣で…… 

 やはり、ゆめとサキの予感は当たった。


 南朋が優一と出かけたと思ったのに、早々に帰ってきて部屋に閉じこもっている。

 何かあったな?


「ピンポーン」

 インターホンが鳴る。

 恵理さんは出かけとるようだし、仕方なくゆめは玄関へ向かった。


「はいはい、どなたかね?」


 玄関を開けたとたん、ゆめの背筋はピリッとなった。


「植竹と申します。突然申し訳ありません。南朋さんいらっしゃいますでしょうか」


 美人だが丁寧な言葉と裏腹に、冷たい笑顔だ。


 この女、小百合じゃ! 


 南朋と小百合が出かけると、ゆめは慌ててサキの家に向かった。



「はあはあ…… サキさん大変じゃ……」


「そんなに慌ててどうしたね?」



「さ、小百合って女が、南朋の所に来たんじゃ!」