ぎゅっと、隣で…… 

 ゆめとサキは、お互いの手を取り合ってジャンプした。



「いよいよだねぇ」


「夕べは、優一君と南朋は一緒に帰ってきたようだねぇ」


 ゆめとサキはお互い目を合わせて笑った。




「あっ。佐々木さん」


 窓から見えた佐々木に、サキが声をかけた。



「ああ、こんにちは。夕べの事、知っておるかい?」


 佐々木は、興味深々にサキとゆめの顔を交互に見た。


「何をだね?」


「夕べの慰労会で、優一のやつ人を殴ってしまってな…… 原因が南朋ちゃんの事らしいんだわ」



「ええ!」

 ゆめとサキは同時に声を上げた。


「優一のやつ、南朋ちゃんの事になると、後先見えんくなるで」

 サキがため息をついて行った。


「なんだか迷惑掛けてしまって……」

 ゆめは佐々木に頭を下げた。


「いや、和希が上手い事やっておったで心配ないよ」


「ほう…… 和希を送り込んで正解じゃったな」

 サキは、ほっとしたように言った。