ぎゅっと、隣で…… 

 あっという間に祭り当日になってしまい、優一と南朋の間に変化が見られず、ゆめもサキも気が気では無かった。


 ちょいと、南朋の方にけしかけてみるか……


「隣の優一君、結婚の話があるらしいねぇ」

 サキは、夕食の時に南朋の前で口にしてみた。


 チラリと南朋をみると、平気な顔をしておるが、明らかに端の動きが止まった。

 食事も落ち着きなく済ませて行った。

 やっぱりな…… 



 祭の当日も、南朋は夜中に帰ってきたが、優一は帰ってこなかった。

 二人が一緒だった可可能性は無い。



「はあ…… なかなか上手くいかないもんじゃなぁ」

 サキがため息まじり言う。


「そううだねぇ。だが、南朋も優一君の事は気になっておるでなぁ」


「それ、本当かね?」


「ああ。間違いない!」


「どうして、優一は南朋ちゃんの側に行かんのかな? 何かがすれ違っておる気がするんだが……」



「そうじゃなあ…… 今夜、祭りの慰労会だで、何かきっかけを掴めりゃいいんだが……」



「そうだなあ……」

 ゆめとサキは窓の外へ目を向けた。