忙しさで何とか自分を保つけど、ふとした時にやっぱり君が頭に浮かぶ。
どこか君の面影を探してしまう。
重症だな、僕は。
それでも長い夜をニ夜、過ごさなきゃならない。


1人で過ごす一番苦しい時間帯に救いの電話が鳴る。
泣きそうな僕を知っていたかのように君からの着信。
第一声が「智くん、お仕事お疲れ様、今日も激務だった?」って自分より僕を気遣う言葉。


「もしもーし、あれ?聞こえてる?」


涙を堪えながら「聞こえてるよ」と答える。
僕は大丈夫だよ、仕事は慣れてる、また君に憧れて注文してくれるお客様が居たよって。


彼女も即効顔バレしたらしい。
「でも大丈夫、バレたとしてもそんなに騒ぐ人たちじゃないし」
何せ自分の論文や人脈を広げようと皆必死なんだって。
数は少ないけど同じ女性歯科医たちと行動してるからって、そのメンバーで撮った写真も送ってきてくれた。


会話は美容関係ばかりで学会に居るより、女子会の席の方が断然楽しかったみたい。
そうやってまず僕を安心させてくれるんだね。


「早く智くんに会いたいな」


1日目なのに同じことを思ってる。
それが何より嬉しい。
抱きしめたい。
キスしたい。
君の温もりを感じたい。
大好きだよ………