重なる視線。
潤んだ瞳の中に僕が映る。
細くしなやかな指がそっと僕の頬に触れた。
ゆっくり顔が近付いて軽いキス。
「私は、智くんの本音が知りたいな」
「本音…?」
「心の奥底の…腹黒い部分」
「腹黒すぎてドン引きするよ?」
芹のことばっか考えてるのに。
本当は独占欲にまみれてる。
他の男が近付くだけでも嫌だし、
仕事とはいえ離れるなんて耐えれるか正直自信はない。
それに僕は健全な男であって、エロいこととかしょっちゅうだし。
芹と毎日ヤりたいとかゴニョゴニョ……
「私と付き合うことで智くんには我慢してほしくないから」
「我慢なんてしてないよ」
「本音、ちゃんと言ってね?」
「どうしちゃったんだよ」と顔を覗く。
あれ?拗ねてるの?
「だから離れるの嫌なんだってば!なのに智くんだけ涼しい顔してるからイラッときた」
「僕も平気じゃないって言ったろ?」
笑って頭を撫でたら逆効果だったらしく、ご立腹だ。
なんで?何が正解なんだ!?
僕はどうしたらいいんだー!!

