0.0000034%の奇跡




「智くんカッコいいもん」


「芹だけだよ、そう言ってくれるの」


「私だけの智くんじゃなくなる…」


「じゃあ芹は僕だけの芹なの?」


視線が合うと「うん」と真顔で答えてくれる。
まさかの即答だった。
呆気にとられる僕のほっぺにキスをする。


ヤバい、何回でも聞きたい。
こんなに嬉しい言葉はないよ。
夢じゃないよな?
ほっぺをつねって痛さを確認。
うん、痛い。
細くしなやかな指がまたほっぺをつねってきた。


「大丈夫、夢じゃないよ」


出逢った頃の君を思い出す。
勢い余って連れ出した時、
眩しいほどの笑顔で同じセリフを言ってくれたね。
その時よりももっと君に夢中なんだよ。


「芹、好きだよ」


もう君以外目に入らない。
ほっぺにキスのお返し。
おでこにもキス。
そしたらもう欲しがってる。
また僕の好きな目をしてる。
一番好きな表情で、
僕のスイッチが入る瞬間………


唇が重なればもう止まらないよ……
また君に溺れてしまうんだ……
芹……愛してる……


僕だけの……芹………