「雑誌の取材?」
「うん、最近芹の画像をダウンロードしてこれにしてくれ〜って言うお客さんが多くて、その中にライターさんが居てさ」
サロントップに載った彼女の写真は反響ありまくりで、ついに予約の取れない美容師にまで成り上がってしまった。
「すごいじゃ〜ん!あっ……」
喜んでくれたかと思いきや急に思いつめた様子。
「どした?」と顔を覗いてみる。
「嬉しくて泣きそうだけど…智くんが遠くになっちゃう」
「え!?」
「だってスタイリストってモテるもーん」
あれ?ちょっと拗ねてる?
ていうか、あなたの方がモテ過ぎでしょうが。
でも拗ねてる顔はもっと見ていたいかも。
「僕は全然モテないよ」
そう言うと隣に来て両手でほっぺをつねられる。
「智くんは気付いてないの」
「ひ、ひたひれす…」
痛いです…
そっと手は離れて首に回る。
ギュッと彼女を抱き寄せた。
可愛いヤツめ。
僕がどれだけ君に夢中なのかわかってないんだな。

