椅子に座ったり、窓際に立ったり
どんどんカメラマンの要求に応えていく彼女。
恥ずかしそうな表情から一変、徐々に周りを惹きつけていく。



「よし、最後は好きな人に見せるとびっきりの笑顔しようか」とカメラマンからの無茶ブリ。
一瞬僕を見た彼女に頷くと安心したみたいだ。
カウント後に見せた笑顔はいつもの笑顔で、僕の心を掴んで離さない大好きな笑顔だった。



終了後、早速口説こうとするカメラマンに「僕のですから」と念押ししておく。
危ない、危ない。
油断したらすぐ誰かに声かけられてんじゃん。



「楽しかった」と言ってくれて助かった。
勿論、ネットではサロントップに載るだろうし、おそらくこの店の顔になると思う。
出来上がった写真はどれも魅力的で透明感が溢れてる。



そして数日後、載るやいなや予約が殺到し忙しい毎日を送ることになった。
完全に彼女のおかげだし、僕の指名も予約待ちが続く事態に。



彼女の仕事でも反響があったらしく、女性からよく声をかけられるようになったって言ってた。
「私と一緒の髪型にしてきたって言う子が居て嬉しかった」って嬉しそうに話してくれるのが一番の褒め言葉なんだ。



ありがとう、芹………