見惚れていた僕は一瞬びっくりしたけど、一度聴いてみたかった曲がすぐに思い浮かんだ。



「GLAYのBELOVED」



そう言うと彼女も一瞬びっくりして少し俯いた。
あれ?選曲ミスった?
と心配したがそうじゃなかった。



一息ついてコードを確認した君。



イントロから泣きそうになったよ。
完璧に再現されていて尚且つ繊細。
僕の青春だった曲を目の前で彼女が弾いている。
この曲もいくつかカバーがあるけれど、僕はやっぱり彼女の歌声が一番好きだ。



なんでこんなに心持ってかれるんだよ…
また泣かされる…
サビなんか超いいじゃん…
心地良い…



僕の思い出いっぱい詰まった曲を丁寧に優しく繊細に歌い上げられもう完敗。
泣いている僕を見て恥ずかしそうに言う。



「これ、久しぶりに弾いた」



「え?これで?完璧じゃん」



「だってめちゃくちゃ練習したもん。この曲が私のギター始めるきっかけだったんだ。」