スヤスヤと眠る姫を二人で覗き込む。
規則正しい寝息にあどけない寝顔。
いつまでも見ていられる可愛さ。
「ねぇ、智くん」
「ん?」
「こんな可愛い宝物、ありがとうね」ってちゃんと目を見て言ってくれる。
ヤバ……一瞬泣きそうになった。
頷くだけで精一杯。
壁ドンの後でこのセリフは反則でしょ。
一番胸にくる。
「私、智くん以外考えられないから…智くんと出逢ってなくて瑚子に出逢えてなかったらって思うだけで怖くなる…」
最後、声を震わせて一粒の涙がこぼれ落ちた。
まさかの先に泣いちゃった君。
そっと優しく抱き寄せる。
同じ言葉が、同じ想いが溢れ返って腕に力が入ってしまう。
「言ったじゃん……私…智くんが好きすぎるって」
怒ってるの?泣いてるの?
どっちもな君は僕の服の袖をつまんでる。
涙目の上目遣いは最上級テクです。
何度も落ちる瞬間。
「何度でも言ってよ、そしたら……一生幸せにしてあげる」
もう我慢出来ずに唇を重ねた。
親指で涙を拭いながら何度も……何度も……君を離したくない……
芹…………

