松岡選手の言う通りだった。
一度差し伸べてくれた手を払わずに
受け入れたらいい事もあった。
それからも五十嵐に話しかけたら
意外と面白い奴だと分かった。
目付きが悪いから不良と間違われるとか
年の離れた弟が居るとか
いろんな話をするようになった。
授業は、式だけだったので
午前中で終わった。
「櫻井。もう帰るのか?」
「あぁ、幼馴染みと帰る約束しているから
リハビリもあるし。またな、五十嵐」
俺は、五十嵐と別れて下駄箱に向かった。
今日は、早めにリハビリがある。
その後は、夕方に日向兄ちゃん宅で勉強を
見てもらう予定だ。
「あ、居た、居た。翼~」
「おー千花。お前のところも
今、終わったのか?」
「うん。どうだった?クラス……」



