車椅子バスケ~希望の架け橋~(翼ver.に変更)


不良かと思ったが
そいつは、フンと言うとドカッと自分の
席に座った。

あ、後ろの席だ。

それに、もしかして俺を庇ってくれた?

昔の俺なら、すぐにキレていたし
コイツにも同情だと思い腹を立てたかも知れない。

しかし、ある言葉が浮かんだ。

差し伸べられた手……それは、
助けてくれた奴の事も言うのではないのか?

「あのさ……サンキュー」

だとしたら、お礼を言わないといけない。
助けてくれたのなら

「……別に。あぁ言うコソコソする奴は、
嫌いなだけだ」

「そうか……俺もなんだ。
俺……櫻井翼って言うんだ!」

俺は、ニカッと笑い自己紹介をした。

「……俺は、五十嵐だ」

ぶっきらぼうながらも返事してくれた。