ブロックと言っても簡単ではない。
相手を完璧にガードするためには、常に敵選手の
動きを先読みしたり、反応しないとならない。
少しの油断で抜かれてしまうからだ。
よほどの反射神経や動体視力などが必要になる。
それに……冷静な分析力も。
美堂は、それが出来てるというのか!?
「凄い……通常のバスケでもあんなに
完璧にブロックしてくる選手なんて
なかなか居ないわ」
千花もそれを見て驚いていた。
「美堂君は、櫻井君と違って障害が重く
重心を傾けることやバランスを取ることが
数秒しか出来ない。
だからシュートみたいにバランスを取るのは、
苦手だけど……彼は、それ以上に
動体視力と反射神経に優れている。
それに冷静な分析力……まさにブロックに最適な
才能を持っているんだ!」
「車椅子バスケの面白いところは、シュートや
攻めることだけではない。
障害が重い2点以下のロー・ポインターの選手が
必要不可欠。
彼らの徹底したディフェンスが試合の
今後を左右する。
まさに車椅子バスケの要的存在だ!」
新垣監督が千花にそう言って
詳しく説明をしていた。
俺は、そんな事を知らずに
必死に抜こうとしていた。



