「大丈夫か!?」

「はい。大丈夫です……」

スタッフの人達に車椅子ごと身体を
起こしてもらう。

車椅子同士で争えば
転倒なんて、しょっちゅうだろう。

微かにタイヤの焦げたような匂いもしていた。
しかし

「ドンマイ。すぐに立ち直らせるぞ!」

「はい!!」

選手は、それを気にすることなく
試合を続けていた。

それからも何度も転倒をしたりするが
選手達は、お互いに声を掛け合い励まし合う。

シュートが決まれば、お互いにハイタッチ。

それは、部活をしていた頃の俺を
見ているようだった。

それに皆、楽しそうだ。
ここもバスケが好きで集まっているのだろう。