敵チームは、すぐに車椅子でブロックしようとするが
またもや違う選手にパスをしてしまう。
ダブルドリブルが無いので
それすら巧みに操りどんどん前に進んで行く。

その際にPG(ポイントガード)らしき選手が

「早川。そのままゴールに突っ込め。
佐藤。高野のブロックだ!!」

仲間チームに的確に指示を出していた。

佐藤らしき選手は、すぐにブロックした。
車椅子を器用に操作しながら

そのまま早川らしき選手は、
敵チームを避けながらボールをシュートする。
見事に決めた。

すげぇ……あんなに軽やかにシュートを決めるなんて。
それだけではない。上手い。

他の選手もそれぞれに上手かった。

「PGの工藤龍一郎(くどう りゅういちろう)選手は、このチームの中でも
車椅子バスケ経験が長くて司令塔の役割をしている。
我が『東京フェニックス』のキャプテンで
パラリンピックのメンバーにも選ばれたこともある
銅メダリストなんだ」

へぇ~そうなんだ。
通りで上手いはずだ。

感心して見ていると新垣監督は、

「そして今、シュートをした選手が
SG(シューティングガード)の
早川光輝(はやかわ こうき)選手。
大学2年生なんだが
彼も交通事故で脊髄損傷になってね。
歩けなくなったんだ」

「しかし、どんな場所でもシュートを狙える
『得点王』と異名を持っている。
面倒みが良くてチームのムードメーカーの存在だから
いい兄貴的存在として君と仲良くなれると思うよ!」

そう言って説明をしてくれた。