「えっと……櫻井翼です」
「あ、岩野千花です。
よろしくお願いします」
俺と千花は、慌てて自己紹介した。
「あぁ、よろしく。私は、新垣(にいがき)だ。
源さんとは、古い友人でね。
若い子が来てくれて嬉しいよ!」
ニコッと微笑んでくれた。
何だか温厚で優しそうな人だ。
新垣監督を見て何だかホッとした。
「新垣さんは、元パラリンピック・車椅子バスケの
エースだったんだ。銀メダルまで導いた
凄い人だから、分からないことがあったら
遠慮なく質問するといいぞ!」
源さんが詳しく教えてくれた。
えっ?
元パラリンピック・車椅子バスケのエース!?
しかも銀メダリストなんて……すげぇ。
「アハハッ……昔のことだよ。
今は、引退をして監督をしているだけだし」
苦笑いする新垣さん。
「でも、すげぇ……」
俺は、驚きながらも尊敬の眼差しで見た。



