千花……。
俺は、驚いたが千花の温かさに
思わず振り返り抱き締めてしまった。
涙を流しながら……ギュッと。
千花の優しさや温かさが伝わってくる。
涙が溢れて止まらなかった。
しかし、そんな俺に翌日。
日向兄ちゃんが、友人の車で
車椅子バスケに連れて行ってくれると
連絡があった。
「えっマジで!?」
『あぁ、俺は、用事で行けないけど
その友人が快く引き受けてくれた。
車椅子バスケもその友人が教えてくれたんだ。
千花ちゃんと一緒に一度見学に行くといい。
刺激になるぞ』
車椅子バスケ……一度生で見てみたいと思った。
俺の知らない世界。
その事は、千花にすぐに伝えた。
「これさ……なんか
地域団体がやっているんだってさ。
障がい者の全国大会にも行ったことがある
強いチームらしいから……お前もどうかと思ってさ」
車椅子バスケのパンフレットを見せながら
誘ってみると
「行く。絶対に行く!!」
千花もその気になってくれた。



