ズキッて胸が痛んだ。
千花に言われたくない言葉だったからだ。
「何だよ……お前まで。
どうせ、お前も俺を馬鹿にしているのだろ!?
なのに日向さん、日向さんって……そんなに
アイツの方がいいのかよ!?
アイツのことが好きなのかよ?」
「出ていけ。お前なんか……出ていけ!!」
涙を浮かべながら怒鳴り散らした。
何だよ……それ。
俺は、好きでそうなった訳ではない。
なのに……千花は、おっさんのことばかり
あんな奴がタイプなのかよ!?
そう思ったら悔しくて
千花にまた八つ当たりした。
「もういい。翼の馬鹿!!
意気地無し」
泣きながら言うと千花は、
病室から飛び出してしまった。
何だよ……アイツ。
俺は、どうしたら良かったんだよ。
近くにあったティッシュ箱を掴むと
力任せに投げつけた。
今だって、追いかけることも出来ないのに……。



