何だよ……それ。
「俺には……無いよ。
そんな誇りも……仲間も……」
ギュッと布団を握り締めた。
あんたは、仲間が居たかも知れない。
でも俺は、傷つけた。
残っているものは、何もない……。
「いいや。これから見つければいい。
君の人生は、まだ始まったばかりだ。
勝手に限界を決めつけて終わらしたらダメだ!
これから、たくさんの人に出会い仲間を
見つけて行くんだ」
「そのためにも……俺が君の架け橋になろう。
きちんと前を向いて歩けるように」
おっさんは、励ますようにそう言ってきた。
「俺の架け橋……?」
「そうだ。例えハンデを持っていても
諦めなかったら、必ず夢が叶うって。
違う道だとしても君の目標になるような
架け橋にしてみせる。
だからパラリンピックに翼君も来てほしい」
そう言うとチケットを出して見せてきた。



