「こら、日向さんに何て
口の聞き方をしているの!?
すみません……息子が」
ペコペコと頭を下げる母さん。
「いえ、気にしないで下さい。
今日は、翼君に渡したい物があって来たんです」
はぁっ?俺に……?
「翼に……?」
「はい。ちょっと失礼します」
そう言うとおっさんは、俺が寝ている
ベッドまで来た。
ムスッと横を向いていた俺だが
チラッとおっさんの恋人が気になって見た。
「その人……誰?」
「あぁ、紹介する。
俺の婚約者の二階堂結衣だ。
俺の働いている会社の部下でもあるのだが」
おっさんが代わりに自己紹介してきた。



