「うーん。微妙だな。
やはりグループが出来てるし、覚悟していたけど
なんか腫れ物を触るような扱いとかされる。
陰でヒソヒソ話をしてくる奴も居るし」
それを聞いた千花は、しゅんと落ち込みだした。
「あ、でもさ。そのヒソヒソ話を言われたとき
ガツンと言ってくれた奴が居るんだ!
『陰で言うなら面と向かって言え』ってさ。
そいつ……五十嵐って言うのだけど。
不良みたいに目付きや口が悪いんだけどさ
なかなか面白い奴なんだよ!
顔が怖いけど。
で、声をかけてる内に仲良くなった」
へへっと笑った。
「そうなんだ……良かったね」
「あぁ、それにさ~五十嵐もだけど
陰口言われても意外と平気だったんだよな。
あれだな、美堂のお陰で免疫力がついたのかも。
アイツの口の悪さの方がすげぇーからさ」
「アハハッ……なにそれ。
そんなこと言ったら美堂君が怒るよ?」
千花は、そう言って笑うが
確かに意外と平気だった。
よくよく考えたら
美堂の毒舌の方が酷いし、あれぐらい
大したことない。
話をしながら校舎を出ようとする。
すると体育館の方からボールの音が聞こえてきた。
見るとバスケ部が練習を始めるところだった。
バスケ部!?
体育館で高橋達が練習をしていた。
懐かしくも、切ない気持ちになった。



