きみは、妄想圏外。



引越しの日なのに、急に決まったせいで今日はそのまま学校の初登校日で、お母さんと一緒に挨拶に行く予定だ。

私を包む制服は、結構可愛くてすぐに気に入った。


それにしても、お母さんまだかな?


遅いなーと思いながら、家の前で私、待たされ中。


────・・・ガチャリ

ふいに、
隣の家の扉が開いて、誰かが出てくる。


身に纏ったのは、少し着崩されたブレザーに、まだ肌寒いこの季節にはピッタリの、マフラー。


見覚えのあるその顔が、少し歪む。



「・・・花恋?」


「・・・彗月。ひさし、ぶり。」


突然の再会に、思わず声が上擦る。



星名 彗月。

私の幼馴染で、小学六年生の冬に気まずくなった、張本人。

気まずくなった理由は、色々あるんだけど・・・つまりは、こいつの気まぐれのせい。


うう、思い出さないようにしてたのに!



忘れるためにブンブンと頭を横に振る。