いつもの帰り道、いつもの電車。
・・・いつもいる、あの人。
友達と談笑してる彼を参考書を見てるように装いながら、覗き見る。
少しチャラく見える、ピアスも。
染められた茶髪の髪も、
キラキラ見える。
「…かれん?
おーいかれん!」
「あーだめだめ、かれん、下校中の"彼"見つけちゃうとすーぐ妄想スイッチ入っちゃうから」
友達の言葉だって、ホントは聞こえてるけどムシムシ。
みんなは分かってないの。
こんなに毎日一緒なんだよ?
雨の日も。台風の日も。今日みたいな高校一年生最後の日だって。
こんなの・・・運命としか言えないでしょ!
いつか私が痴漢にあいそうになって、それを"あの人"が助けてくれて・・・、
『あんたのことずっと前から見てたけど・・・危なっかしーやつって思ってたんだよ』
って壁ドンされながら言われるの!