私の世界に色をつけて




「前園さーん、前園色華さーん。診察室○番にお入りくださーい」




ついた科は、眼科だった




私とお母さんで言われた番号の診察室に入る






「こんにちはー色華ちゃん、覚えてるかなー?」




診察室に入るや否や、いきなりそんなことを聞いてきた
おばさん




「いや、覚えてない…です…すみません…」



なんか謝っちゃったよ!



なんで謝ったんだよ!



なんて心の中で自分にツッコミを入れながら先生の顔を恐る恐る見る…




「そっかそっか〜そうだよね〜もう5年前だもんね〜!」




5年前…?



5年前になんかあった…?




って





「え!あの時の先生!?」




思い出した、確か5年前で病院に来たことと言えば小学三年生の時になった糖尿病だ!




あの時治療してくれてた先生だ!



思い出したぞ!!




「そーそー!せーかい!先生嬉しいよ色華ちゃん!」





にしても…老けたな〜先生…



そりゃそうか、5年も前だもんね




「よし、じゃあ、症状を聞く限りの答えを言うね」




いきなり真剣な顔になり、医者の顔になったあと、先生は静かにこう言った




「色華ちゃん、多分もう、手の施しようがない段階まで行ってる白内障だよ」





え…





は、くない…しょう…?




って、なに…?






「先生…、は、くない…しょうって…な、ん…ですか…?」




「白内障は、自分が見てる視界に白いモヤがかかって、そのモヤがだんだんと大きくなって、最後には何も見えなくなる病気だよ」




「え…」




ほんとは白内障がどんな病気かなんて分かってた



でもそれを信じられない自分が聞き返したんだ思う