私の世界に色をつけて



────ダン!ダン!シュパッ!



「こっち!こっちパス!」



いいなぁ〜みんな体育出来て…



いや、私もできるんだけど、バスケとかバレーとかは無理なの


出来るとしたらダンスとかマット運動とか



思いっきり体動かしたいのに〜!




ステージの上で足をブラつかせながら見えない目で普通に正面を向いていた



「色華!!!」



ん?



「前園危ない!!」




え、なになに



1人でオドオドしてると、微かに聞こえてくる何かの音





もしかして…!




ボール!?!?




目が見えないから音で判断する、そのせいで避けることはまず不可能




やばい、来るよね?!




咄嗟に下を向いて身構えた


だって下向くことしか出来ないじゃん!



でも、一向に痛みが来ない




間に合ったとしても頭には当たるはず…バスケットボールだから痛いはずなのに…





「危ないだろ。もっと周りを見てやれ。」



ん…?この声って…誰…?



でもどっかで聞いたことある声…




「わりぃ佐野」



あ!佐野大貴くんだ!




名前の通り大きくて…じゃないんだよね笑



恵の話だと身長は私とあまり変わらないらしいの


確か…164…?


だったっけ



ってお礼言わなきゃ!




「佐野くん!ありがとう!」



「別に。」




む…そう言えば佐野くんって無口で有名なんだった…





私が少し苦手な人種




でも助けてくれたんだし、今度お礼になにかあげようかな




その後は無事に体育を終え、今は帰りのLHR



ロングだけあって長い長い笑