君の隣で~anotherstory~

休み時間が終わり、

今は数学の時間。

先生がなんやかんや話しているけれど、

みんな興味なさそうに友達と話したり、

絵を描いたりしていた。

私は、後ろの方の席にいる陽斗くんをチラッと見た。

陽斗くんは気持ちよさそうに寝ている。

その姿に私はいつもドキッとしてしまう。

私が陽斗くんをボーッと見ていると、

陽斗くんの席の方に先生が歩いていくのが見えた。

えっ、まさか陽斗くんを怒るの?

確かに授業中寝てるから怒られない方がおかしいけど……。

でも、先生は陽斗くんの席ではなく、陽斗くんの隣の席の前に立った。

そう、陽斗くんの隣の席といえば。

桃音だ。

桃音は授業中にスマホをいじっていたらしく、

先生に怒られて、罰として庭の掃除を頼まれていた。

桃音はがっくりと肩を落として、陽斗くんを見た。

私はなんで陽斗くんを見たのかすごく気になったけど、

意外とそのわけを知ることができたのはすぐだった。