君の隣で~anotherstory~

部室に戻ると、もう少しで部活が終わるところだった。

桃音は、陽斗くんへの贈り物が完成したみたい。

隣の席の子と喋っていた。

桃音が作ったものを見てみると…

「っ……」

私はそれを見た瞬間、自分が負けたような気がした。

桃音がつくっていたものは、

お守りだったのだ。

多分陽斗くんのサッカーの試合が近いからだ。

桃音がつくったお守りは、完成度が高く、

上手につくってあった。

私は上手だね、と言う気にもならなくて、黙って目をそらした。

『じゃあ、止めればいいじゃん』

さっきの有希くんの言葉がよみがえってくる。

止めればいいって言っても、どう止めるの?

ていうか、桃音は陽斗くんと私、どっちが大事なの?

長年付き合ってきた私だよね?

でも、もしかして今はーー…

「はい、今日の部活は終わりね」

「ガタッ」

そう先生が言った瞬間、桃音はすぐ部室を出ていった。

「………」

桃音はきっと、陽斗くんとの待ち合わせ場所に行ったんだ。

どうする?邪魔する?それともーー…

確かめる?

気づいたら私は桃音を追っていた。