トイレから、戻ったとき。
教室に入ろうとしたけど、足を止めた。
花園さんの声がしたから。
教室の扉から、耳をすました。

すると、二人の声が聞こえた。
「高野さん、嫌いなんでしょ」
「え」
「私にしなよ」
「・・・」

奏からの返事は、なかった。
え、認めちゃうの?
何か、言い返してよ!
「奏のバカ!」
思わず、扉を開け、二人に叫んでいた。