気づいたら思っていたことが口に出ていた
「え?」
「あ、え、いや、ごめんなさい。気にしないで下さい。わ、私も医者目指してるんです!」
「そーなんだ!じゃあいつかまた会えるかもね。」
私はこの時わかった
なぜ彼が大丈夫だと思ったのか
あのとき、公園で私の手を見たとき一切動揺してなかった
まるで前にも見たことあるような、それか自分でも見ているかのようだった
そして、さっき親が医者で自分も目指してるって言ったとき本当はなりたくないって訴えているようだった
私は昔から周りの様子を伺って相手に気を使って生きてきたから、その人が何を思っているのか想像できるようになっていた
だから分かる
きっと彼もリストカットしたことがある
そして、医者になりたくないんだろう
私と一緒だ
だから信用できたのかもしれない

