グッと制服の裾が何かに引っかかり、動きを止めた。いや、何かに引っかかったんじゃない。引き止められたんだ。

さっきまで何かを書いてた手は、俺の制服を掴んでいた。


なんだ?


振り向くと相変わらず無表情で俺を見ていた。


「どうした?」


そいつはその問いには答えず、机の上にあるノートに目配せをする。