「…待ってる」 「…っ!!」 今夜も貴方が私の血を吸いに来るのをーーー 自分から言い出したのに、なんだか恥ずかしくなっちゃって、私は逃げるようにして家へと駆け込んだ。 「……ありがとう、愛しのフィアンセ」 私がいなくなったあと、結城くんはそう呟くと、上り始めた月の光にキラキラと輝く銀髪をサラリとかきあげながら、家へと帰っていった。