目、赤くて綺麗。

髪も、銀色になってる。

口元の八重歯、めちゃくちゃ長い…

ん?

八重歯っていうより、これは、牙!?





結城くんは静かに口を開いた。



「驚かせたかもしれない。まさか起きているとは思わなかった。…これが本当の俺の姿だ」


「……っ!!」



身体の自由が効くようになってきた。


もう手も動かせる。



私は結城くんを頭から足までもう1度ゆっくり見た。



やっぱりーーー



「…吸血鬼」



マンガかおとぎ話の世界でしかありえないと思っていたーーー


でも、すぐそこにーーー



「ヴァンパイアはお嫌いか?」


「…っ!」



結城くんの顔が近くなる。



「わ、私の…血を吸うの?」





吸血鬼に血を吸われたら、その人も吸血鬼になるか、死ぬんだっけ?