切なそうなその表情のまま、元原さんは、私に一歩一歩、近づいてくる。
顔を上げて、その距離の近さに、驚いた。
「も、元原さん……!」
「どんな俺も嫌いにならないって、言ったよな?」
「い、言いました」
「じゃあ、理由を教えてくれなきゃ、ここでキスする」
そう言って、本当にサラッと近づいてくるから、私は慌てた。
「き、緊張するからです……!」
一歩、後ずさると、元原さんは一歩、近づいてくる。
「元原さんが、素敵すぎて……緊張するからです!」
距離の近さとキスという言葉に驚いて、とうとう本音を言ってしまった。
いつの間にか俯いていた顔を恐る恐る上げると、元原さんが嬉しそうに微笑んでいる。
「何それ。俺のこと、好きって言ってるようにしか聞こえない」


