私はいつも通りお化け役で驚かしてるはずだった。
急に手を繋がれ、だれ!?何事!?と思って離そうとした。
『久玲愛。俺だよ。廉。コソッ』
周りに気付かれないようにソッと私に耳打ちをした。
『…え、廉??』
私は訳も分からないまま廉に抱きつかれてる。もちろん私のすぐ近くには誰も居ない。
廉の顔が薄っすら分かるぐらい。
『久玲愛に会いたかった。』
そう言われただけなのに、私の体温は気温の暑さとは別に体が火照ってくるのが分かる。
絶対いま顔真っ赤だ。
廉が私の顔に手を添える。
『暗すぎて顔見えねぇな。』
『れ、廉。』
『もうちょっと居たかったけど、もう行かなきゃな。また26日会おーな。』
もう行っちゃうのか。寂しいな。
『うん…。またね。』
『……そんな寂しい声すんな。またすぐ会える。』
『うんっっ!そうだね!!また26日ね!』
そう言って、廉を出口の方へ向かわせた。
廉が出口から出たあと、
廉の友達が"彼女とイチャイチャしてきたんかぁ〜?"
"うるせぇ、黙れ"
"ふぅ〜ふぅ〜"
って大きな声で喋ってるのが聞こえる。
26日楽しみだけど、緊張するなぁ。
さっきの事を思い出してまた体温が上がる。
その後の記憶がほとんどない。
頭ん中が廉の事でいっぱいだ。
いつの間にか15時になっていて、一般公開の1日目は幕を閉じた。
