『よぉ、久玲愛。こーやって会うのは初めてだな(笑)サプライズで仲間と来たんだよ。』


私の頭をポンポンと撫でた。


私服姿初めてみた。カッコイイ。
サプライズなんて、そんなの聞いてないよ。  


不意打ちだ。


嬉しい。
そう思っても恥ずかしくて廉に言えない


……ん?あれ?でもなんで私の学校知ってるんだ?


『あれ?でも私学校教えたっけ??』


『鳥羽から聞いた。』
鳥羽(とば)とは、葵のことだ。



『あぁ!そうなんだね!!
一緒に屋台回りたいけど…。

スタッフやってるから忙しいし…。でも良かったら3年3組、お化け屋敷やってるから来てね!

私達午後1時から中でお化け役やってるから。』


『分かった。1時な。』
 
 
そう言って廉はニヤリとした。
そして、屋台の方へ行ってしまった。


『久玲愛〜。いいじゃなぁい!羨ましっっ。』


そうこうしてる間に、スタッフは自分たちのクラスに帰っていっている。



私達も帰らないとっ。


廉カッコよかったなぁ。
あんな服装するんだ。腕には時計つけてたし。ネックレスも着けててお洒落さんだ。 


わたしあんなカッコイイ人と釣り合うのかなぁ。そんなこと思ってきたら不安になってきた。


自分磨きがんばろっ。





午後1時。
交代の番だ。私はお化け役で美菜は受付だ。


私は髪の毛が長いから貞子役みたいな感じで出ることになってる。


最初のお客さんが入ってきた。

 
近づいてきたら髪の毛で顔を見えないようにして後ろから着いていって、足を触ったり道具を使ったりして驚かしている。



ぎゃぁぁああああああ

   
やったね。驚いてる。驚かすの楽しい〜(笑)


どんどんお客さんが入ってきてみんなそれぞれ仕事をこなしてる中、
若い男の人が入ってきた。


受付をしている美菜は知っているが、
もちろん、私は気づいていない。 
 

 
この暗闇で光も少ない教室で誰がとかどんな人が来ているのか気づかないのは当たり前だ。