ボクは、山の手小学校の4年生。国語はあまり得意じゃないけど、図工は大好きだ。
近所に、さとし君という同じ学年の友達が住んでいる。
1年前にさとし君がこっちに引っ越してきたときに公園で初めて会って以来、一番の親友だ。
さとし君は小さいけど二重まぶたで鼻が高くてほっそり痩せてて、少しオトコマエだから、たまにうらやましかった。でも、ボクは一重まぶたで鼻はそんなに高くないけど、デブじゃないし、ボクの方が断然背が高いから、気にしないようにしている。
一緒のクラスになれたらいいなと思っていたけど、さとし君の家は厳しくて「英才教育」をしているから、特別に違う学校に通っているらしい。
あと、実は、さとし君は双子だ。双子のもう一人はつよし君という名前で、大人しくて優しいさとし君と違って、乱暴で悪さばかりしているらしい。前に一度だけ会ったことあるけど、あんな奴嫌いだ。
放課後、ヤギ小屋の掃除当番だったから、いつもより帰りが遅かった日だった(ボクの学校では、生徒からの強いリクエストで半年前からヤギを飼い始めて、世話は高学年が順番に担当することになっていた)。
家に帰る途中に、遠くからこっちに向かってさとし君が歩いてくるのを見つけて、ボクはうれしくなって駆け寄った。
「さとし君、放課後に偶然会うの、初めてだね!どこ行くの?」
すると、さとし君は立ち止まって睨んできた。
「さとしじゃねえ、オレはつよしだ。邪魔だ、殺すぞ、弱虫野郎。」
ボクが驚いて道をあけると、つよし君はポケットに両手をつっこんでスタスタと過ぎ去っていった。
それ以来、つよし君と会うことはなかった。
さとし君もつよし君が苦手って言ってた。だから、ボクはさとし君とだけ仲良くできていればそれでいいと思ってた。
あの時までは。
近所に、さとし君という同じ学年の友達が住んでいる。
1年前にさとし君がこっちに引っ越してきたときに公園で初めて会って以来、一番の親友だ。
さとし君は小さいけど二重まぶたで鼻が高くてほっそり痩せてて、少しオトコマエだから、たまにうらやましかった。でも、ボクは一重まぶたで鼻はそんなに高くないけど、デブじゃないし、ボクの方が断然背が高いから、気にしないようにしている。
一緒のクラスになれたらいいなと思っていたけど、さとし君の家は厳しくて「英才教育」をしているから、特別に違う学校に通っているらしい。
あと、実は、さとし君は双子だ。双子のもう一人はつよし君という名前で、大人しくて優しいさとし君と違って、乱暴で悪さばかりしているらしい。前に一度だけ会ったことあるけど、あんな奴嫌いだ。
放課後、ヤギ小屋の掃除当番だったから、いつもより帰りが遅かった日だった(ボクの学校では、生徒からの強いリクエストで半年前からヤギを飼い始めて、世話は高学年が順番に担当することになっていた)。
家に帰る途中に、遠くからこっちに向かってさとし君が歩いてくるのを見つけて、ボクはうれしくなって駆け寄った。
「さとし君、放課後に偶然会うの、初めてだね!どこ行くの?」
すると、さとし君は立ち止まって睨んできた。
「さとしじゃねえ、オレはつよしだ。邪魔だ、殺すぞ、弱虫野郎。」
ボクが驚いて道をあけると、つよし君はポケットに両手をつっこんでスタスタと過ぎ去っていった。
それ以来、つよし君と会うことはなかった。
さとし君もつよし君が苦手って言ってた。だから、ボクはさとし君とだけ仲良くできていればそれでいいと思ってた。
あの時までは。
