──「こんな朝早くから非常識だろ」




玄関から秋庭さんの呆れたような声が聞こえてきた。




確かに…さっき7時前だって言ってたし…こんな時間に誰だろう?







「えー?何言ってんの。弘に仕事明けに顔出せって言われたから来たんでしょ。ね、純さん」





あ、この声は昨日の藍色の髪のイケメンさんだ…。




そっか…極道って夜に仕事するからこの時間が仕事終わりなのか。







そんなことを呑気に考えていたのが完全に間違いだった。




律儀に『お邪魔します』と頭を下げてから部屋にあがってきたイケメンさんとスキンヘッドさんは私を見て…






「………………」





「………………」







二人揃ってたっぷり10秒くらい固まってしまった。




え、なんで…!?







あっ…!!





完全に忘れてた…私、今、布団の、上、ていうか…寝起きのままじゃん!!







「え…。ナニコレ…弘、俺ら帰った方がいい感じ?」





困ったように笑うイケメンさんと見ちゃいけないものを見てしまったような顔をして目をそらすスキンヘッドさん。





なんか…本当に居たたまれない…






「おいおい弘。いくら彼女ができて嬉しかったとはいってもね。初日からコレはダメでしょ…?」





「んなわけあるかっ!!」





「えー…これどう見てもさぁ…」





「だから、違うって言ってんだろ!」






慌てて否定する秋庭さんが可愛くて、私もイケメンさんも思わず笑ってしまった。







「いやぁ、だってさ、この部屋、布団一つしかないでしょ?」







「だから!俺は昨日、一睡もしてねえよ!!」





言ったと同時に、しまった…という顔をする秋庭さん。





対して、イケメンさんはしたり顔だ…




あ、この人絶対確信犯…