──次の日






「……ん」





起きると、額に鋭い痛みが走った。






「おはよう美紅。
おでこは少し切れてたからガーゼを張っておいたよ」





何事もなかったかのような微笑みを浮かべる悠太。




顔を見ただけで吐き気がする…






「俺が愛してるのは美紅だけだからね…?」





「………………。」





「美紅も俺のこと愛してるだろう?」





「………………。」





「おでこの傷はごめんね?でももし跡が残っちゃっても俺が嫁にもらってあげるから大丈夫だよ?」





「………………。」







「おい!!何とか言えや!!」






この人が怖い…




何を考えているのかがわからない…




でも…一つ言えることは…逆らったら殺される…。






「うん…私も…悠太のこと愛してるよ…」





私の言葉に満足げにうなずいた悠太はそのまま私を抱きしめた。







──悠太のこの歪んだ愛情がおかしいのには気付いているけど、どうにもできない。





私には頼れる相手も居場所も何もない…






昔の優しい悠太に戻ることを願うだけだ。