──それからは同じようは日々が続いた。




私のバイト中に悠太は堂々と女を連れ込んで身体を重ねる。




女はだいたい夜更けに帰って行くから、それまではあの公園で時間を潰した。



秋庭さんと一緒に…。






「また、か?」




いつものようにバイト終わりに公園に行けば、ビールの缶を傾ける秋庭さんがいた。






「はい…多分…また他の女の人が家にいるんで…」





「そうか…」





秋庭さんは私がここに来るときは毎回いる。




何をするわけでもなく、ビールを飲みながらベンチに座って目を閉じて。





私と秋庭さんの間に会話はほとんどないし、彼氏の浮気の話をしても秋庭さんは別れろとは言わない。





ただ…






「暴力は振るわれてないんだよな?」





毎回これを聞いてくる。






そして私は決まって、






「一回も暴力は振るわれてないですよ!」





嘘をつく。





何故なのかはわからないけど、悠太に暴力を振るわれてることだけは秋庭さんには知られたくなかった。




私の言葉に安心したような顔を浮かべた秋庭さんは‘じゃあな’と言って公園を出た。





その後ろ姿を見ながら‘好きだな…’無意識に言葉が漏れた。