大切なものを選ぶこと




─美紅side─





「うッ……や、やられた……」





胸を押さえながらその場にうずくまる弘翔。




今、どういう状況かというと…






「「ヤッタ!!怪獣ヒロじじいをたおしたぞー!」」





おもちゃの鉄砲を弘翔に向けて乱射する二人の子供と、それを受けて迫真の演技をする一人の大人…という状況です。




桜さんたち一家が到着したと言われて弘翔と二人で玄関まで来たら、いきなり弘翔が襲われた。




慣れているらしく、弘翔は迫真の演技をし始めるし…ナンダコレハ…。






よく見れば、二人は双子らしく、色違いの洋服を着ている。




4~5歳くらいだろうか。




そして何より…クリっとした目が大きくて、愛嬌があって、控えめに言っても超絶可愛い!!







「ヒロじじい!早くたちあがって!!」





「だーれがじじいだこの野郎…」





「「じゃ、ヒロおじさん!!」」





「なんでだよ!お兄さんでいいだろ!」





「えー」





「だってー」






「「ママがおじさんっていってた!」」





「桜の野郎…」





ガクリと項垂れた弘翔。




ということは…この子達は桜さんの子供なのだろう。





言われてみれば、目とか雰囲気とか、桜さんに似ていて可愛い。





それにしても…子供相手にノリノリで遊びに付き合ってあげる弘翔もかなり可愛い…。




弘翔のこういう性格とかノリとか、好きだなぁ。









──「お、弘!もう来てたのか。ごめんなー、ちび共の相手させちゃったみたいで」





「二人ともー弘叔父さんの彼女さんにはちゃんと挨拶したー?」





「「パパ!ママッ!!」」






入口から別の声が聞こえてきたので顔を向けると…桜さんと、赤ちゃんを抱いた男性。





うわっ…美男美女すぎて眩しい…






「おい桜…おじさんって呼ばせるなよな」





「えー?だって‘叔父さん’でしょ?」





「地味に傷ついてるからな…」