「結衣ー!家庭教師の先生来たわよー!」
お母さんは階段の下から大きな声で叫んだ。
しかし返答は返ってこない。
シーン、、、
「ごめんなさいねえ、聞こえてないのかしら?ふふ、あの子人見知りだから。悪いけど、お茶の準備するから先上がっててくれる?階段登ってすぐ左の部屋よ」
「そんな、わざわざありがとうございますっ。じゃあ、先上がってます!今日はよろしくお願いします!」
私はペコっとお辞儀して階段を登り始めた。
うわ〜、緊張する!
結衣って女の子かな?
反抗的な子だったらどうしよ、、、。
さっきの返事がなかったことで余計な不安がでてきた。
螺旋状の長い階段を登りきり、ついに部屋の 前に着いた。
ここかな?
コンコンッ
「こんにちは、家庭教師の篠田です。入ってもいいかな?」
「、、、どうぞ」
ガチャ
「失礼します、、、」
小さくどうぞって聞こえて、私は震える手でドアノブを回した。
あれ?
部屋を見渡すと、ベッドの上でうつ伏せになって何かしている男がいる。
あれ、男の子、、、?
スラッとした細身の身体にサラサラのショートカット。
結衣ってゆうから女の子かと思ったけど、男の子だったんだ。
ってか、来てるって分かっててその態度、感じ悪、、、。
私はそんなことを思いつつ彼に近づいた。
「篠田陽季です。よろしくお願いします」
「、、、」
え、無視、、、?
あまりの感じ悪い態度につい口がポカーンと空いてしまった。
あんなにお母さん感じ良い人なのに、、、。
「あ、あの、、、」
私は沈黙に耐えきれず声をかけた。
その時
ガチャ
「あっ!結衣!先生来てるのに何なのその態度は!ちゃんと自己紹介しなさい!」
お茶とお菓子を持ったお母さんが入って来た。
ふぅ、、。
よかった〜、あの気まずい雰囲気どうしようかと思ったよ、、、。
そうそう、もっと叱ってくださいお母さん。
