「テオ!」
小走りで中庭を抜けて、急いでテオがいる部屋に向かう。
一緒に紅茶を飲んでいた部屋。
「マリさん?」
勢いよく駆け込んできた私に目を丸くしているテオ。
ぶさいくが悪化してるわよ。
「テオ!私決めたわ!」
「そ、そうなんだ」
主語がない私の言葉でも、理解したのかテオが頷く。
「で、どうするの?」
「私は、あなたと結婚したい。
あなたは、私がいいならって言ってた。
でも、私はあなた“が”いい。」
ずっと引っかかってた。
テオの言葉は、いつも私の意見を尊重してくれるから、いつもテオの気持ちがない。
「テオ、私はあなたに選ばれたいの。
あなたが、私じゃなきゃ嫌だって言うのなら、結婚は成立するわ。
そうじゃないのなら、この結婚は取り消しましょう。」
私は、テオの気持ちが知りたい。
テオの言葉が聞きたい。