「美雨らしくていいと思うよ。 じゃあ、そろそろ帰ろうか?」 もう、そんな時間? 時計を見ると、もうすぐで下校のチャイムが鳴る時間をさしていた。 そんな時間まで話したつもりは、なかったのに。 時間がたつのは、案外はやいらしい。 「うん、またね。」 「また、雨の日に。」 そう言い残し、小窓から虹色の傘が消えた――。