「美雨」 私の好きなその声で。 「美雨は、一人じゃない」 口は悪いのに、誰よりも優しくて。 「美雨が好きだ。愛してる。」 頬を真っ赤にして、微笑む。 ――――私の大好きな人を。 再び空を見上げると、灰色の雲から小さな雫がポツリポツリと、降ってきた。